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日経225オプションの今年の目玉は?

期限前償還は証券化金融商品の支払いのタイミングを不確実にするリスクを生じさせます。
そこで期限前に償還されるお金を異なるタイミングで支払いにまわす複数の異なる債券を発行することが行われます。
すなわちローンからの償還金を優先的に支払い金とする債券その支払いが終わったら次に優先的に償還金から支払いを行う債券さらにその支払いが終わったらその次に優先的に支払いを行う債券等を発行するといったことが行われるわけです。
こうすると最優先に支払いが行われる債券は比較的短期間で支払いが完了することになります。
その次に優先される債券は短期ではないが長期でもない中期間で支払いが完了します。
さらにこれよりも支払いが劣後される債券は完済まで長期間かかることになります。
この結果一つの対象資産が生み出すキャッシュフローをもとに短期中期長期に支払いを終える異なる証券ができあがります。
そしてたとえ期限前償還があったとしても各証券が支払い金を完済するタイミングはやはり短期中期長期となり優先順位の異なる複数種類の証券を発行しなかった場合よりも期限前償還の影響を小さく抑えることができます。
このような工夫によって期限前償還リスクであってもある程度コントロールできるのです。
以上のように証券化はまず取引する対象となる資産を特定化しさらに特定化された対象資産に関わる価値変動のリスクを「市場」「信用」「その他」等のリスク要因に分解してそれぞれのリスク要因をコントロールしながら取引する仕組みを備えています。
取引するリスクを資産の特定化といったレベルでコントロールするだけでなく個々の資産のリスク要因にまで分解してコントロールするいわばリスクのばら売りを実行できるわけです。
証券化の手法はリスクを細分化しコントロールして取引することを(ある程度)可能にするという点でこれまでの手法にはない利便性を持っています。
では証券化によってリスクのコントロールはどのように実行されるのでしょうか。
そのためにどのような仕組みが利用されているのでしょうか。
前章でも見た通り一言で証券化と言っても現実には様々な種類の資産から多くの異なる証券化金融商品が作られています。
個々の事例は多岐にわたり使われる用語も非常に複雑そうに聞こえるものが多数あります。
ところがこのような見かけとは裏腹にすべての証券化に共通する基本的な仕組みはとても単純なものなのです。
証券化の定義を思い出して下さい。
資産の証券化とは「金融機関や事業会社が特定の資産の保有を目的とする別の主体(特別目的事業体SPV)を設立してそこに自ら保有する資産を移転しさらに移した当該資産が将来生み出すキャッシュフローを原資として支払いを行う金融商品(証券)を発行し売却する手法」でした。
実は証券化の仕組みの特徴はこの定義に言い尽くされています。
すなわち「特定の資産」を選んで証券化の対象とすることそれを「そもそもの資産所有者から分離」すること資産そのものではなく「証券として」売却すること、これらがその特徴です。
証券化の対象資産を特定化します。
この段階の役割は前節の議論からも明らかでしょう。
証券化の対象となる資産を特定化することで発行される証券化金融商品に関わるリスクを対象資産が生み出すキャッシュフローのリスクに限定するのです。
このことによって証券化金融商品の支払い金に関わるリスクはオリジネータが他に保有する資産に関わる価値変動の市場リスクや経営の成否に関わるリスクから分離されます。
証券として取引するリスクをそもそもの資産保有者であるオリジネータが保有する資産全体というリスクの束から分離して特定の資産の特定のリスクに限定することがこの第一段階でなされるリスクのコントロールです。
後述しますがこの段階で現実に行われることは既存の資産をそのまま取り出して対象資産とすると言うよりも保有する資産の中から適切なものをいくつも選び出しては組み合わせ好ましいリスク特性を持つ対象資産を人工的に構成する作業と言った方が描写としてはより正確です。
実は発行証券の支払い原資となる対象資産を特定化するだけでは証券化で取引するリスクを資産のそもそもの保有者であるオリジネータが抱える他のリスクから完全に分離できたことにはなりません。
なぜならばオリジネータが倒産する可能性があるからです。
オリジネータが倒産するとオリジネータが保有する資産は債権者に差し押さえられます。
このためもしも証券化の対象資産の保有者がオリジネータのままであったなら証券化の対象となった資産ももちろん債権者に差し押さえられてしまいます。
しかしそうなると証券化金融商品の購入者は対象資産が生み出すキャッシュフローを完全には受け取れなくなってしまいます。
よってこのままでは証券化金融商品は対象資産のキャッシュフローの変動というリスクに加えオリジネータが倒産する信用リスクまで抱え込んでしまっていることになります。
そこで第二段階の作業が必要となるわけです。
この段階では証券化の対象資産の所有権を売却や譲渡といった手段で特別目的事業体(SPV)に移しそもそもの所有者から分離します。
こうしておけば証券化の対象資産の所有者は特別目的事業体になるのですから仮に資産のそもそもの所有者であるオリジネータが倒産したとしても証券化の対象資産が債権者に差し押さえられることはなくなります。
よって発行された証券の支払いはオリジネータの倒産の影響を受けないことになります〔繰り返しになりますが特別目的事業体とは証券化の対象となる資産の保有を目的に設立される組織の総称です。
“特別目的"という名称からしばしば特別目的会社(SPC)だけを指すと誤解されますが特別目的会社(SPC)のみならず信託や組合も特別目的事業体(SPV)の重要な形態です。
わが国のSPC法で制定された特定目的会社業体(SPV)の一種となります。
このように第二段階では対象資産の法的所有者をオリジネータではないようにすることによって証券化金融商品の支払いのリスクとオリジネータが倒産するリスクを切り離すという信用リスクのコントロールが行われます。
この作業は「倒産隔離」とも呼ばれ証券化において極めて重要な役割を果たします。
証券化ではオリジネータが保有する資産全体から特定の資産を切り離しその特定の資産の収益に関わるリスクのみを取引します。
このため企業が証券化金融商品を発行することで資金調達を行う場合それを購入する投資家にとっては重要なのは企業全体の評価ではなく分離された対象資産のリスク特性だけということになります。
よってもしも確実な収益をもたらす優良資産を証券化するならば企業が全体としての信用力で資金調達をするよりも低いコストで資金調達を行える場合も生じてきます。
例えば業績が振るわない企業を思い浮かべてください。
この企業が資金を調達しようとすると借り入れ金利は高く債券や株式を発行しても高値では売れません。
伝統的手法による資金調達コストは高いわけです。
しかしながらもしもこの企業が優良な資産を保有しているなら話は別です。
その優良資産を売却すれば企業全体は思わしくなくとも資産は優良なのですから買い叩かれることなくそこそこの金額で売れるはずです。
証券化は対象資産だけを取り出して売却する方法を提供することでこれを可能にするわけです。

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